遺言書は誰のもの?

18年間、行政書士のひるなみです。

遺言書作成のあれこれ

Aさんは妻とふたり暮らし。
最近、胃の調子が悪く、病院へ行くと、
悪性腫瘍が見つかった。
治療を続けたが、
体調が悪化していく中、
この家(不動産)のことが気になった。

家族が共に笑い合い、
一緒に夕食を食べる時間は
子どもが10歳になるぐらいまでだった。

「長女とは、高校を卒業してから、
生活態度のことで揉めていたのですが、
3年ぐらいして出ていきまして、
それから音信不通になってしまし、
どこに住んでいるのかも知りません。」

「そういう人間が家族にいると、
相続のときにいろいろ大変だと聞いて。」

「遺言書を書いておこうと思うんです。」

聞き取り開始

・家族構成

・財産目録

・経緯

遺留分の話

・遺言者の推定相続人の確認

Aさんの書きたい遺言書

「住んでいる家は妻が困らないように
妻にしたいです。」

「長女には何もあげたくないし、
わたしの葬儀にも来なくていいです。」

遺言書は誰のため

遺言書は遺言者が書くものです。
その人の財産はその人のものなので、
どのようにしたいのか?

その人の気持ちで書きがちですが、
遺言書は手続きのためという側面もあるので、
残された家族が困らないように
配慮することも大事かも知れません。

今回の場合も、
妻の気持ちはどうなのか?

わたしは面談の際の、妻の言葉も
残さず拾っておきます。

妻はどう思っているのか?

実際に妻が遺言書で手続きできるのか?

遺言書があっても揉めるときは揉めます。

わたしはAさんのようなケースでも、
長女さんのお名前を出すように
お勧めします。

自分の父親の遺言書に
今までがどうであれ、
自分の名前すら出てこなかったら、
わたしなら悲しい気持ちかなと思うので。

遺言書は、遺言者の財産について、
書いておくもです。

でも、手続きをするのは、
相続人の人たちです。

遺言書は、行間の想いとか、
空気感など表現出来ない書類なので、
書く内容に気を付けています。

人に話すと整理できる

遺言者との面談は、
長い時で半年を要することもあります。
遺言者が納得して、
様々なことを理解した上で、
作成して欲しいと思うからです。

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